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直熱ビーム管1619使用パラレルPPモノラルパワーアンプx2 (2021.12.25掲載)
私が初めて1619のアンプを聴いたのは、40年以上前になるでしょうか、その時千駄ヶ谷に移転していた村上春樹氏がやっていたピーターキャットでした。そのしばらく前に「無線と実験」誌上に安斉勝太郎氏が製作発表をしていて、「何か良い音しそうだな〜」と思い描いていたアンプその物を聴く事が出来たのを、昨日の事の様にその情景を思いまします。と言う事で、1619と言う球には特別の思いが有る真空管なのです。過去に販売用のアンプ意外にも数多く試作をして来た球なので、回路や使用パーツ等十分に熟成して来たつもりなのですが、アンプは生き物です。常に回路やパーツの変化をしながら毎回試行錯誤をしながら音や動特性を煮詰めて行く事になります。それでも、1619のパラレル使用は非常に音が良い!今回も電源回路には水銀整流管を使わずに通常の直熱整流管(ルックスの観点から今回も米GE社製5R4GA)を使用しましたが、整流管の音色の違いは有れどパラプッシュならではの音の厚みや低域の自然な伸び感、全帯域に渡ってのヌケの良さ、実体感を伴った瞬発力有るダイナミクスで、音の表現力の高さを持ちながらも耳当たりが非常に良く、長時間聴けば聴く程に心地良く音源の音楽世界にのめり込んで、次から次へとレコードを掛け替えて聴き続けたくなる暖色系の音の良さです。前述しましたが1619は嘗て「無線と実験」誌に於いて、安斉勝太郎氏がウエスタンシリーズの1つとして発表した、由緒正しき音の良い真空管の1つとして、アンプビルダー達から認知された真空管なのです。その真空管のタイプとしては、鉄管の直熱型のビーム管と言う物ですが、低能率スピーカーを使用しての爆音再生が必要でなければ、パラプッシュで有れば極軽い動作で12W取れ、その軽い動作が故の長期の耐久性に寄るコストの節約も合わせ、ビーム管接続の音の良さと直熱型真空管ならではの透明度や質感表現力の高さを享受出来るアンプを製作出来るのは、見た目の「真空管」らしさの欠如に目を瞑れば、非常に優れた真空管なのです。製作に当たってはいつもの用にウエスタンの単線による配線とMILスペック部品を含む音質と耐久性の観点でコストを考えずに使いたいパーツを使って製作をしています。

*420Aイコライザー+ラインバッファー付きアンプとセットで製作しました。

*ご注文を頂いて製作したアンプです。在庫としては有りませんので、製作の御依頼を御待ちしています。

*フランス製の新品元箱入り1619を使用して製作していますが、米国製RCA管のご用意も有りますので、製作御依頼時にお問い合わせ下さい。

価格¥250,000(1台、税別、送料¥1,100/1台分)