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米ヒースキット社プリWAP2+パワーW4AMモノラルアンプセット (2005.11.15掲載)
米ヒースキット社の真空管プリWAP2と5881ビーム出力管プッシュプルパワーアンプW4AMとのモノラルアンプセットです。このアンプセットは非常に充実した内容で、プリは12AX7(当時のRCA製)が二本と12AU7(当時のGEブランドの英ムラード製)一本の構成で、内部パーツはオリジナルのまま問題無く動作しており、コンデンサーなどはマランツ7やマッキントッシュに使われているのと同じブラックビューティーです。電源外部供給式のため、ノイズも非常に少なく良い音で音楽を楽しめます。プリアンプの機能は入力5系統、低音と高音それぞれのトーンコントロール、フォノイコライザー切り替えターンオーバー(LP/RIAA/AES/78)、ロールオフ(0/8/12/16)です。ターンオーバーとロールオフ別に切り替えられるのが非常に贅沢な作りです。ただ、ターンオーバーだけでの切り替えでは余り変化を感じられません、ロールオフとの併用でと言う事のようです。パワーアンプW4AMは米タングソル社5881(高信頼6L6G)のプッシュで20Wの出力が有ります。内部は電源入力コンデンサーのみ交換で、他の部分はオリジナルのまま問題なく動作しています。このパワーアンプも非常に贅沢な構成で、通常この時代の普通品アンプは電源の平滑化に低コスト化のため抵抗を使用しているのですが、このアンプは十分な容量のチョークトランスを使っています。トランス類は全てシカゴスタンダード社の物で、それらのトランスは十分な容量を持ち、しかも非常に良い音のトランスです。このアンプの音質は、十分な透明度と力感を持ちながら、真空管アンプらしいウォームトーンでソースの個性を殺さずに再生してくれます。ヴォーカルなどは人肌の艶かしさが有り、このアンプセットの実力の高さを証明してくれる部分です。見た目豪華な部分は何も有りませんが、その分パーツや回路を十分吟味した使う人が満足出来る、まじめに作られたアンプなんです。そして米国M社のアンプの様に、どんなスピーカーで聴いてもみんなアンプの音になってしまうと言う様な事が無いのが、私には非常に好感の持てる所です。アンプと言うのはソースやスピーカーの持ち味を殺さないのが、本来有るべき姿です。アンプの外観は多少の小キズ/汚れは有りますが、時代を考慮すれば綺麗な状態です。使用真空管はどれもまだまだ寿命の有る、良いコンディションの物です。寿命を気にせず音楽を楽しめます。万が一の故障などにも迅速に対応致しますので、末永く安心してお使い下さい。

価格¥130.000(プリ+パワーのモノラルセット)