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マッキントッシュMc275修理依頼 (2021.9.24掲載)
マッキントッシュMc275の修理依頼を受けました。症状は内蔵フューズが飛んで電源が入らないと言う症状、先ずは電源のコンデンサーの不具合が疑われますので、4本全ての電源コンデンサーの検査から始めます。その結果はチョーク直後のコンデンサーの絶縁不良、このコンデンサーは以前に中古のコンデンサーに交換されていて、その容量の接続も間違っていました。その接続間違いが今回の不良の原因では有りませんでしたが、元々コンディションのさほど良く無い中古品で有ったが為の不良となったと言う事ですね。その他3本のコンデンサーは何とオリジナルのコンデンサー!しかも劣化は全く見られなく、日々程良い使用状況で長期の保管状況にならなかったのが、結果的に寿命を延ばす事になったのでは無いでしょうか。自動車もそうですよね、日々適当に使われている方が元気に故障無く走ったりします。其れはさておき、そのコンデンサーの不良の結果大電流が流れ、フューズが飛ぶ前に抵抗が焼損してその後フューズが飛んで電源は入らずと言う結果になった訳です。今回このコンデンサーは現在製造されている米国製(マロリーの工場で製造)の物に交換しましたが、以前は当時物の米国スプラグ社製の新品コンデンサーを検査エージングしてから使っていましたが、検査エージングしてからの故障の発生は経験上無いのですが、そうは言っても長期の使用を考えるとどうしても不安が残るので、ヴィンテージアンプの修理レストアに関しては、最近は現行製造のこの会社の物を使う様にしています。電源以外の部品は当時物の、例えばマッキンで有ればブラックビューティーとか、出来る限り回路図の数値通りにオリジナルのコンデンサーや抵抗を使う様にして修理レストアをしています。それでなければマッキンやアルテック他の有名ブランドの衣を羽織った只の自作品になってしまいますからね。それと最後に、このお預かりした275は、今回交換したコンデンサー以外はほぼ全てオリジナルのまま、過去色々とヴィンテージアンプを見て来ましたが、中々この内部のコンディションのヴィンテージアンプは無いですね。今後もガンガン遠慮無く使って行けるはずで、修理後一週間毎日(開店中ずっと鳴らしっ放し)動作を確認しながら試運転して来ましたが、極めて安定動作で長期に渡って全く壊れる気配がしませんね、ただしKT88以外の真空管別ですけど。

*ヴィンテージアンプの修理レストアの御依頼は、先ずはお問い合わせ下さい。